ひよ子の日記
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森博嗣の四季を読んだ。
本を読むと自分がそれまでに 考えた事のあることに出会う事もあれば いままで辿り着いた事のない思考に出会う事もある。 考えた事のある事の中で、すでに自分なりの答えを得ているものと、考えたけれど分からなかったので放っているものがあって、答えを得ているものについては自分の考えと似ていたりすると驚きとかはなく、あ、同じ風に考えているんだと単純に思う。 違った時には、稀に自分の意見が揺らぐ事もあって この人はどうしてそう考えるのかを考えた末に やっぱり私はそう思わないなと考えたりするけれど 最終的にはやっぱり、あ、この人はそういう考えなんだなと ただ単純に思う。 自分の考えた結果よりも 好きになる考え方に出会う事もある。 自分が辿り着いた事のない思考や表現に出会うと 目は本を見ているのだけれど、私のさえない頭は総出で その思考や表現を自分に取り入れようとするので からっぽになって本を見つめているだけになり 動きがとまってしまう。 でもそれが本を読んでいて楽しい部分だったりする。 取り入れるというのは、 最後には自分の言葉に噛み砕いて吸収する事で 初めはその文章を物語に合った様にそのまま解釈しようとする。 取り入れる事が出来るものとそうでないものもあって そうでないものは意味は分かるけれど 自分には取り入れる事が出来ないことというのもある。 概念の前に言葉の意味が分からない事もあって イメージや印象でなんとなく掴めるものもあるが この言葉が何を指すのか、全く分からなかったりする。 でもどんなに自分にとって意味不明な言葉や言い回しでも 物語に合っていたら、引っかからずに読めるのだ。 それが言葉の意味が分からなくても 伝わって来るものが、そこにはある。 という事をいつも考えてしているわけではないけれど 読んでいて楽しい本は 自分の思考、考え方の相違、未知の思考と表現、 自分の確認や新しい思考へ導くなにか これらのバランスがいい本だと思う。 もちろん自分にとってのバランスである。 四季の感想になってないけど、 バランスが人それぞれである以上 本の感想を書くよりは それよりも本を読んだ事で生まれた エネルギーを伝える方が分かりやすいかな? 「今世紀最高の傑作」 「心に響く作品」 「忘れていた何かを思い出せる」 「ノスタルジィ」 「笑いあり涙あり」 「最近優しく微笑みましたか?」 「ぬくもりが恋しいあなたへ」 ・ ・ ・ どの作品にも当てはまりそうだし。 (私の語彙力や表現力がない事の言い訳だ) それにネタバレになってしまうと これから読む人がつまらない思いをしてしまうし。。うんうん。 (更に言い訳をする) 四季は私にとってバランスのいい本だった。すき。 「日本語をただの音として聞いてみたい」 私がよく思う事で、試す事だが 「森博嗣の作品を一つも読まずに、何も知らずに これを読んでみたかった」 そう思った。 ものすごい衝撃を受けたと思う。 登場人物の事をある程度知っていたので 無意識に全てを整理整頓しちゃった。 今まで読んだ作品の出来事とかを並べ替えちゃったから。 もし何も知らなかったら‥‥ わぁ。。想像しただけでも凄いって思います。 今回小説を読み終わって、読んでいる時の事を思い出すと 夜、深い霧の中で、物語の行く末を眺めているようでした。 かといって全く掴めない訳ではなく、 その霧の向こうから突然車のライトが明るく光り 一瞬にして強い印象を頭に焼き付けて、 心を揺さぶる様なそんな感じでした。 それがいっそう強かったと思います。 もし、何も知らなかったら。 でもでも、面白かった!
ひよ子
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