なか杉こうの日記
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2005年08月21日(日) 人生相談の回答* 武家の女性」山川菊栄

人生相談の欄で、昔嫌で仕方がなかった上司のことがどうしても忘れられないという質問者に対して、海野純子先生(精神科の医師)が、気持ちというのは、すぐ昇華させないとあとあとまで残ります、というようなことを答えていた。いわゆる、PTSDと同じなのだろう。しかし注目すべきは、海野先生はその場でその気持ちをあらわにしなさいとか、嫌だといいなさいとか、そういうことは言っていないのである。
つまり、なにか掃除をして昇華させるとか、なにかそんな風なことを言っていた。とすれば、私にとってもひとつの解決策となるかもしれない、と思った。
世の中にはぱっと昇華させるのがうまい人もいるし、あとあとまで残るというか、残さざるを得ない人もいるのだ。ぱっと昇華させるのが上手い人はきっと人生を楽しく生きられるのだろう・・・と思わざるを得ない。


岩波文庫の「武家の女性」山川菊栄を読んだ。とても面白かった。幕末の水戸藩の天狗党と諸政党との残酷な争いの中で、男の世界とは別世界といってもいいくらいのほとんど世情についてなにも知らされなかったなかでの女性たちの暮らし。
そこに出てくる、娘、妻、嫁、姑、叔母たちの性格は、今私たちが育った中にもいた人々である。「尼将軍」というヒステリーのような姑、温厚で敵を探しにきた武士たちの言うがままに、おっとりと襖や障子を開けて回った女性。突然捉えられ、子供と共に刑死した人。
「ホラ、あそこのお嫁さんはね、あそこの姑さんはね、あんな風だから・・・」とよく私たちも親戚のおばさんが母に話したりするのを聞くが、そんな感じ。

民俗学の系列の本が好きである。しかしあまり詳しかったりすると最後まで読めないことが多い。少しずつ、読んでみようかな。


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