なか杉こうの日記
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2005年12月11日(日) |
ドラマ「クライマーズ・ハイ」の感想 |
きのうは、「クライマーズ・ハイ」と「山田風太郎の日記」と「チャングムの誓い」を立て続けに見てしまった。よっぽどヒマだと思われそうだがそうではない。
クライマーズ・ハイは、日航ジャンボ機の事故の時に北関東新聞の記者だった人が作家になって書いたベストセラーのドラマ化だそうだ。組織とか上司とかの関係で身につまされるようなことがいくつも描かれていて、自分がショックを受けたり矛盾を感じているようなことってどこにもあるのだなあ、と感じた。
とくに主人公の悠木が部下を事故地に事故直後に取材に行かせたが、当時は無線機もないので社に連絡するのが夜中の一時頃、もう、印刷にかける時間を過ぎていた。悠木は一時までは待つ、と約束したのに、部長は輪転機が故障したという嘘の理由で12時を締め切りとし、大変な取材をした者達を切った。
悠木は電話で告げられた事故の記事がものすごいリアルなものであることを知り、次の日のトップで掲載したいと部長に言うが、却下される。社長に直訴するが、この生意気なやつ、と記事に眼もくれない。
その記事というのが、自衛隊員が女の子の遺体を抱いている描写から始まる、というので、自衛隊賛美になるからというのでトップに載せられないと判断されたのだった・・・。
幹部は昔自分達が功績を上げた「大久保事件」「グリコ事件」よりも大きな今回の事件で若い者に抜かれたくなかったのである。権威を振りかざしておきたかった。
また自衛隊を賛美しているように映る、というのは、幹部のいやな性質もさりながら、私にはわかるような気がする。
飲み屋での上司との争い、社長からばかにされるところ、部下との軋轢・・・そして家族の問題。悠木の子どもが何を話し掛けても「う・・・」としか言わなくなったのである。
こういったひとつひとつが非常にリアルである。組織で働いているものには共感できると思う。こういったドラマはあると思うが、このドラマは台詞がほんとにリアル。社長が悠木に「ほう、あのときのぼうやか。ずいぶんエラクなったものだな」というところとか。
日航機事故がメインなのではない。新聞記者の軋轢がメインテーマである。二回連続。次回が後半である。
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