品川の水族館で見たマンボウ。 今までみたどの水槽の魚より、孤独で絶望的で、哀れだった。 もちろん、私が勝手にそう思っただけのことで、 マンボウの気持ちは分からない。 彼はただ、昼寝をしていただけなのかもしれない。
恋の終わりは自分でピリオドを打つ。 私はそれを潔い自分の性格として、誇っていたのかもしれない。 自分から気持ちが離れるにせよ、向こうの気持ちが消えるにせよ、 心の中で防御堤防が築けるまでの期間を経て 自分の中で「ここまで」と決めて、パチンと切る。 潔いと、思ってきた。 黒白つけたい性格なのだと思ってきた。 けれども違うのかもしれない。 いつまでも、こうかもしれない、もしかしたらという地獄のような 曖昧で微かな希望と確実な絶望の中に浸っているしかない日々の中に いることが自分にとっては耐え難いことだったから切ったのだ。 その方が楽だから、切っただけだった。 今朝、やっと気がついた。 私はどこまでも弱いだけだったのだと。
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