たかちゃんと晴れて結婚した私は 毎日が幸せでした
彼とは好きな音楽も同じ ドライブもお互い好きだったので、連休には必ずドライブに出掛けた 娘もすっかり彼になついて、いつもパパと手を繋いで歩く 私と娘で、いつもたかちゃんを取り合ったりした
たかちゃんは「男子たるもの・・・」の傾向が強く 甘い言葉も言ってくれなかったし、割りと無口な人だった
それでも私はいつも彼にくっついているような生活だった
たかちゃんにも結婚歴があった 別れた奥さんと奥さんの父親に騙されて、借金があった
借金を返済するために、結婚以降も私は夜の勤めに出ていた
全て納得して【頑張ればなんとかなる】と思った私が甘かったのだと たかちゃんと別れて6年が経った現在思い返す
それまで消費者金融の利息の高さも知らずに過ごしていた私 たかちゃんの借金の金額を聞いても 二人で働けば、すぐに返済することができるとタカを括っていた
借金があっても、貧乏でも愛さえあれば幸せであると疑いもしなかった
毎日が幸せ過ぎた ある日レストランで娘と彼が仲良く遊んでいる姿を見て 自分が幸せ過ぎて泣いてしまい、たかちゃんを困らせたこともある
「家族」を知らない私とたかちゃんは 初めて「家族」の温かさを知った
隣にはいつも彼がいて 彼の隣には私がいた
ささやかだけど、幸せはいつもすぐ傍にあった
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