アテネオリンピックが始まった。今回のオリンピックは時差が激しいので生で楽しむよりVTRを見る方が多い。 早速「日本、金メダル獲得!」のニュースが入ってきた!柔道の谷選手と野村選手。谷選手はオリンピック2個目の金メダル、野村選手はなんとオリンピック3連覇!これは本当に大したものだと感服する。 オリンピックは4年に一度しか開催されない最高峰のスポーツの祭典だ。4年に1度…この稀少さが全てのスポーツ選手を魅了する。この一瞬のためだけに選手は生きていると言っても過言ではないような気がする。だから見ている側も勝利した者にも、敗れた者にはそれ以上の感動を覚えるのだ。
さて柔道の2選手のことに話は戻るが、柔道競技は階級ごとに男女ペアで試合が行われる。谷選手はもう彼女が小学生くらいの頃から「ヤワラちゃん」として日本全国にその名を轟かせていた。世界選手権で10連覇以上の快挙をやってのけ、文字通り「国民的ヒーロー」なのだ。それとは反対に野村選手は今でこそその名を馳せているが、12年前のバルセロナオリンピックの時は全くの無名であった。後に出発時の空港で他の有力選手のインタビューに走る記者に突き飛ばされたと彼は苦笑していた。 バルセロナオリンピック、この大会で彼は見事に金メダルを獲得した。そして、国民の期待を一身に受けていた(当時は)田村選手は惜しくも銀メダルに終わってしまった。何故か彼女はオリンピックの金には縁がなく、当然獲れるてもいいはずなのに肝心なオリンピックではどうしても獲れない…。その不運さが拍車をかけ、金メダルの野村選手よりも国民とメディアの注目を浴びていた。金メダリストは野村選手なのだ。本来ならばスポーツ紙の一面を飾るのは彼こそ相応しい人物なのだ。
そして前回のシドニーオリンピック。彼ら2人はまたもやオリンピック代表選手に選ばれた。更に今度は野村選手も田村選手も金メダルを獲得した。田村選手がやっと祈願の金を獲得したと言うことで、またもや国民とメディアの関心は田村選手に集中した。たとえ田村選手が金メダルを獲らなかったとしてもこの状況は変わっていなかったであろう。冷静に考えれば連続で金メダルを獲得した野村選手の方がスポーツの目線で見れば凄いことなのだ。
あれから4年…。舞台はアテネに移動した。いつものように2選手は揃って代表選手としてアテネオリンピックへ…。またまた2人揃って金メダル!おまけに野村選手には「世界の柔道家が誰も成し遂げられなかった五輪三連覇」の偉業が付いているのだ。今度こそはスポーツ紙の一面に!!…と期待していたが、今日父が買ってきたスポーツ紙の一面には笑顔で金メダルにキスをしているヤワラちゃんの写真が…(苦笑)。野村選手はどこに??と思ったらやっと2面に登場していた。 今度の谷選手の注目の理由は「田村でも金!谷でも金!」…て、これって少し本筋からズレていませんか…?野村選手の「史上初の三連覇」に比べて余りにも俗っぽい気がするのだが…。
“間の悪い人”とは彼のような人間を言うのだろう。兎に角活躍した時代が悪かった…。本来ならばスポーツ紙の一面を飾り、もっともっと賞賛されて然るべき快挙なのだ。12年もの間、スポーツ選手が第一線で活躍し、その集中力を持続させオリンピックで金メダルを3つも獲っているのだ。もちろん谷選手の連覇も偉業だと思う。
どうしても野村選手は谷選手の影に隠れてしまう。彼はそれを逆手に取り笑い話にしているが、あれだけの選手だ。負けん気は人一倍持っているだろう。あらゆることに「悔しい!」と思えない人間にあれだけの偉業はやり遂げられないと思うのだ。
次のオリンピックはどうだろう?お2人とも引退せずにまだ頑張るつもりであろうか…?特に野村選手にはまだまだ頑張って欲しい。「一面を飾るまでオレの柔道人生は終わらないっ!」くらいの気概を持って(笑)、もう一頑張りも二頑張りもして欲しいのだ。
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