竜也語り

2004年09月11日(土) 詰める奴ら

最近やっとテレビのCMでも宣伝するようになった郵○○の“何とかPACK500”。これは指定された封筒に詰められる範囲の荷物なら全国どこでも500円で速達と同じ速さで相手に届くというものだ。つまり前もって1個500円でその封筒を買うことになる。
実はうちの会社ではもう随分と前からこれを利用させてもらっている。配達員さんが郵便物を配達に来た時「あの…今度こういうものが新しくできたんですけど…こちらでいかがでしょうか…?」と遠慮ぎみに女の子に営業していた。あの調子では100軒回ったって1つも売れないよ…と気の毒に思って見ていたのだが、2〜3にち経ってから彼はまためげずにやって来た。今度は彼は間が良かった。何となくその日は皆機嫌が良かったのだ。
こちらの質問に細々と答えている時、ある役付きが「とりあえず10個買ってあげなよ〜」とセコイ数のわりには恩着せがましく言った。それでも彼は嬉しそうだった。

うちの会社では荷物・書類の郵送は殆んど宅急便だ。大抵は関西方面へ出すので500円では送れない。数も各自で勝って気ままに好き放題出すので、1日10個は下らない。多い日は30個以上になるので、単価としたら100円200円の差額だが、これを年間にしたらかなりの額となる。大きなお世話かも知れないが、よくリサーチしてこういうところを相手から尋ねられる前にもっと積極的にアピールした方がいいですよ、配達員さん。

そこでA4サイズの書類が折らずに入る大きさでマチの少ないその封筒に物を詰めるだけ詰め込むのである。(ちなみに重量制限は30kgまでよん)
そこがその人の腕の見せどころで、入れ方によっては随分とかさ張りが違うのだ。こんな些細なことにも器用な人間と不器用な人間とに分れるのだ(笑)。
そして大量の書類やらを見事にその封筒に収め込んだ人間は「どう?見て?」とそのもっこりと膨らんだ封筒を自慢気に見せる。それに対し見せられた者達は「おぉ〜っ!」と律儀に反応して見せる。
…くだらない…実にくだらない…。大の大人が、昔デパートかなんかにあったようなくるくる回るお菓子を決められたビニール袋に詰められるだけ詰め込んだ…あの世界と全く同じようなことをやって賛嘆しあっているのだ。
しかしこれが意外と楽しい(苦笑)。無心になれると同時にほどよく頭も使うことになる。要はたとえ嫌なことでもそこに僅かばかりの楽しみを見つけるのだ。何でも楽しくやる方が心身の健康にいいに決まっている。

最後にここだけの話だが、私はあまりに調子に乗って詰め込んだために、この封筒を破ってしまったことがある。これは破れたものをガムテープなどで修正してあった場合はNG。受け取ってくれない。
ビリッ!と音がした瞬間、500円もパーになったわけで。「やばっ!」と思った私はこれを誰にも気付かれないようにこっそりと捨てた。その時思ったのだ。きっとこの中のどいつかは絶対同じことをやっているはずだ…と。


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