竜也語り

2005年02月02日(水) 私の竜也物語(8)〜初めての握手…こんなはずじゃぁ…〜

勇気を振り絞って(?)入会したファンクラブの恩恵を受ける時がやってきた。Daのイベント、握手会だ。2002年12月のことである。その時の握手会は抽選だった。当選した人のみが竜也くんをお触り出来るのだ!往復はがきの返信が届くのをドキドキしながら待っていたが、運良く当たった。「やったー!」と喜んだのも確かだが、何やら気持ち悪くなったのも確かだ(苦笑)。

当日私は会場へ出かけた。渋谷の何かしら怪しげな通りに面した場所だった。(笑)会場に続く階段は薄暗く、とても竜也くんのイメージには結び付かなかったが会場の中は小奇麗だった。一番奥に竜也くんが立っている。グレーのセーターとジーンズというラフなスタイルで、にこやかにファンの人達と談笑していた。
握手をするまでかなり長い列を作って並ぶのだが、それが階段(上り)→踊り場みたいな所(かなり面積がある)→階段(下り)と続くのだ。並んでいる間、殆んどの場所からは竜也くんを見ることが出来た。踊り場にいる時は竜也くんを上から見るかたちになるのだが、踊り場の桟から乗り出し嬉しそうに竜也くんを見ている私の姿は、さながら欄干に掴まっている猿といった具合だっただろう…。

並んでいるうちは幸福だった。竜也くんを間近でずっと見ていられるのだから。まだこの時点では第三者の気分であり、自分が竜也くんを握手をするという実感がなかったのだ。徐々に自分の番が近づいてくる…。そのうちに未体験の距離までに竜也くんが近づいてきた。ここら辺からだ、何やら怪しくなってきたのは…。兎に角憧れている竜也くんに触れるということはもちろん、それ以上に、竜也くんに自分を見られるということさえ私には経験がない。心臓が脈打っている…。体までが脈に合せて上下に動いているのではないかと心配になるぐらいに、血液が忙しげに騒いでいた。
情けないことに私は怖くなってしまったのだ…。何でこんな所まで来てしまったのかと後悔の念さえ沸いてきてしまった…。「ええぃっ!こうなったらまな板の上の鯉よ!」と覚悟の出来ないまま前の人が終わってしまった…。「お願い!!ちょっと待って〜!」と心の叫びも虚しく私は竜也くんの前に立つことになったのだ。

竜也くん 「こんにちは!」
私 「こんにちは…」
蚊の鳴くような声を出してしまった…。その自分の声に更に動揺する。
竜也くん 「どこから来たんですか?」
・・・・・・・・・・・・
私が覚えているのはここまでだ。なぜなら、私はもう既に高く高く飛翔してしまっていた…。ただ竜也くんの長く濃い睫毛と蕩けそうな笑顔が無声映画のように私の目に映し出されていた。(←これはもうファンの本能みたいなものだろう。どんな状況下においても顔だけは刻み込もうとするのだ。)
トントン…とスタッフの女性が私の肩をたたいた。ある程度の時間が経つと「もう終わりですよ。」という合図なのだ。「あっ…そうですか…」私はその場を離れた。一体私はちゃんと竜也くんに別れの挨拶をしたのだろうか…?それさえ定かではない。会場を後にする時気がついたのだが、私は緊張のあまりどうも左手で握手をしていたらしい…(苦笑)

こんな経験は生まれて初めてであった。何せ何も覚えていないのだから。相手に興味がなくて何を話したのか覚えていない時はあった。酔っ払っていて何だかよく覚えていないことも間間あった。しかし、緊張して覚えていないとは!
知人には誰にも見られたくない自分の姿であった。親はあまりの情けなさに涙するだろう…。友人達はあまりの滑稽さに、事あることに関して酒の肴にするであろう…。結局私は竜也くんの前で自分を表現することは出来ず、自分の気の弱さだけが露呈したかたちになった。猫をかぶるつもりは決してなかったのだが、結果的に猫をかぶったことになってしまった…。さぞかし大人しい女に見えたことだろう…(苦笑)

私は一体どのツラ引っさげて竜也くんの前に立っていたのだろうか…?この握手会の後、暫くはこんなことはもうやめよう、体がもたん!と思っていたが、年が明ける頃にはまた挑戦(?)してみたくなった。次は背水の陣で臨む覚悟でいるが、未だにそのチャンスはやって来ない。余りに時間が経ってしまって、あれは果たして現実のものだったのか?と分らなくなってくる。この握手会のことを思い出そうとすると、「これは夢かや、うつつ〜か〜やぁ〜♪」 あの「身毒丸」のおじさんの歌声が私の頭の中をこだまするのだ…。

まぁこの年になって、握手と僅かばかりの会話をするだけで、こんなにも緊張感の持てる男性がいるということは、ある意味幸福な人生ではないかと・・思うことにしている(苦笑)。


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