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■ プリミティブ
それに酔えず 痛みと感じた
私もまた プリミティブ 過ぎたのです。
その日 私は先生と会っていました。
そうあの 先生。
4月に買い換えたばかりの 深い深いブラウン色の車で
高速と下道を 約2時間。
目的は 2週間後に控えた ある展覧会へ出品する 自身の作品に ご指導を仰ぐためでした。
その日 ルティーンで勤務だった 彼 。
私は彼のメールで 起床しました。
前日に
今日は車で遠出すること その間あまりメールが出来ないこと
そして その為の起床時間を伝えてありましたから
ジャスト
計ったように…というか 実際 計っていたのでしょうね。(苦笑)
それがとても 微笑ましく嬉しく 思えました。
作品を見ていただいた後に
夏休みに入った 先生の勤める大学の 誰もいない教室で
ひとり4時間ほどこもって ただただ文字を書く。
とてもとても調子がよくて
自分に3500ccくらいのエンジンがついて どこかに飛んでいってしまいそうな感覚になる。
途中 自分を現実にとどめるために
彼 と何度かメールのやり取りをしました。
先生の
いわゆる「テリトリー」でやり取りされるそれは
とても 不自然でイビツで 余分なほど装飾的であり
でもどこか 私と彼
互いのやわらかい部分を 暗に示し合うという
プリミティブさ
原始的で 悲しいくらいに洗練されていない
その空気感。
対照的な2つの事象が 図らずも同じ空気を共有するという感覚に
だからこそ
この日の私の筆は いつになく 走っていたのだと思います。
けれども
突きつけられた 現実は
彼のメールから ふいにこぼれ落ちました。
恭介さんのね 手の写真を送ってください。
そうねだる 私の言葉に
テンポよく返される 返信メール
そのメールをつむいだであろう 左の手の甲が写された 写真を添えて。
図られども 図られずとも
うっすらと その薬指に名残るる
わっか の跡。
2008年09月01日(月)
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