* たいよう暦*
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2004年06月21日(月) 台風一過

朝、家を出るときは、ひどい空の色ではあったけれど、まだ雨は降っていなかった。
会社についても、まだ、降っていない。
床から天井までが一枚ガラスだから、外がよく見える。
12階からの眺めは、ちょっとお天気の悪い日以外のなにもんでもない。

「今、台風どこにおるんや?」
何度もインターネットにアクセスする人たち。
「おっ、今徳島らしいぞ」
「こっち来んで」
話だけ聞いていると、なんのことを、誰のことをしゃべっているのか想像もつかない。
やたらと擬人化されている。
「はよ、こいこい」なんていう人もいる。

12時前後が一番ひどかったなあ。
それまで、普通の雨の日の様子だったのに、風がどんどん出てきて、雨の方向が縦横無尽にかわった。
12階だから、風の流れがよく見える。
下を見下ろすと、御堂筋の銀杏並木が、おもしろいように揺れている。
傘がひっくりかえったりしている人も、いる。
えらいこっちゃ。大変なことになってるで。
見下ろすガラスも、そのうちひどい雨が打ち付けられて、まるで水槽の中にいるみたいになってしまった。

学校の時はよかったよなあ。
大雨洪水警報出てれば休みだったもん。
会社に勤めていると、そんなわけにはいかない。
みーんな、ふつーの顔して出勤してきて、ふつーの顔して机について、ふつーの顔して働いている。
一番びっくりしたのは、阪神大震災の時。
結構多くの人が、ふつーの顔・・・こそはしていないけれど、出勤していた。
電車が止まっても、何駅か歩いてきていた。
自分もそうやって会社にたどりついたわけだけれど、なんでここまでして会社に来てるんやろ、みんな(自分もだけど・・・)・・・ってすごく不思議だった。
なんなんだろう、「会社」ってところは。
なんだか、ヘンな世界だよなあ。

そんなことを思いながら一日仕事をしている間に、あっという間に台風は去っていき、夜の7時にはすごいすごい夕焼けが始まった。
すごい。
ほんと、すごい。
台風の影響で、雲がたくさん出ていた。
そこに、反射する夕焼けの光、光、光・・・!
まるで映画の中に出てくるような、すごい強い光をもった夕焼けだった。
みんなで口をあんぐりさせながら、しばらく眺めていた。

帰り道、雨はもちろんやんでいた。
だから、帰りも、傘はなし。

なんか、ヘンなの。
台風の一日だったって、気がしない。
なんだか、特別じゃない、ふつうの一日だったみたいでした。


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