きなこ日記
DiaryINDEXpastwill


2012年08月28日(火) 言葉の選び方には注意して欲しい。

 氷上は福島県に住んでいます。原発から直線で33kmくらいのところです。昨年の事故以来、全国から、実に多岐にわたる支援が寄せられ、あるいは手を差し伸べられ、感謝に堪えません。
 子どもがいますと、特に、福島県外への短期・長期の旅行の企画が紹介され、子どもは学校を通じて様々なチラシを持って帰ってきます。
 今日もそんなチラシを配布されてきました。沖縄の某島に福島県の子どもたちのための保養所が出来たので、利用しませんか、というものです。しかし、その冒頭文を読んで、がっかりしました。福島県民は「被爆」し、「汚染」された土地に住み続けており、そんな福島の子どもたちに「健康をプレゼント」するための保養施設なのだそうです。
 確かに、事故以前よりも線量は高くなっているのだし、農作物も従前の通りには作れていません。我々は日々「被爆」しているのだろうし、土地も「汚染」されていないとは言えません。
 それでも、「お前たちは被爆した」「お前たちの住んでいる土地は汚染されている」と言われて、素直にうんとうなずける人間はどれほどいるでしょうか。どのような土地であれ、そこで生まれ育ち、今も住んでいるふるさとなのです。
 よく言う「上から目線」を感じます。本当に、我が身に置き換えて相手を大変だと思うのならば、これほど直裁な言葉選びはしないのではないでしょうか。
 新聞などなら、事実を、端的に要領よく伝えるのが、良い記事でしょう。しかし、「あなたのために」と言いながら、受け止める側の気持ちを忖度しない文章は、こういったチラシにはそぐわないのではないかと思うのです。
 この企画には、そうそうたるメンバーが「賛同人」となり、スポンサードを行っているようですが、このチラシの文言は知っているのでしょうか。知っていたら、少し考え直す人が出るかもしれませんね。


きなこ |MAIL

My追加