...blueberry

 

 

- 2006年09月15日(金)

9月5日(火)

今日もホテルの入り口でお見送り。
「いってらっしゃい」
と言える幸せ。


ご主人様に聞いた○○博物館。
聞いていた博物館と違う博物館で、ご主人様のおっしゃっていた
企画展は開催されていた。
少し寂しいけれど、博物館は一人で行くほうがゆっくり鑑賞できる。


「今日は何を食べる?」
「一昨日はお魚で、昨日はお肉でしたから、麺類とかはどうですか?」
居酒屋兼そば屋に行ってみたけれど、満席。
初めてのイタリアンのお店に入る。
味はいまいち。

ご主人様は、上手にナイフとフォークを使う。
お肉が簡単に切れていたようだったので、私も同じようにしてみた
つもりが、音はなるし上手く切れない。
「こつがあるんだよ」
と、ご主人様はおっしゃる。

ご主人様は食べ物には、こだわりがある。
私も美味しいものはわかるつもりだけれど、こだわりはないし、美味しく
ないと思うことはあまりない。
ご主人様の「食」の話を聞いていると、育ってきた環境が少しだけ
垣間見える気がする。


ホテルに戻って来て、口直しにビールを飲んだ。
そしてゆっくりとした時を過ごす。


「遊んでやるから、シートを敷いて蝋燭を出しなさい。」
急にご主人様がおっしゃった。

裸で過ごしていた私は、蝋燭を用意し、うつ伏せになる。
ご主人様は蝋を溶かし、溶けた蝋をためる。
最初の一垂らしがいつ落とされるのかと背中に神経が集中する。

「あっっ」
垂らされた瞬間に声が出る。

のんびりと過ごしていたときに急に言われ、頭と身体がついていかない
せいなのか、背中という皮膚の薄い場所に落とされたせいなのか、
普段よりもとてもとても、蝋燭の熱が高く感じる。

体中にまんべんなく蝋が垂らされる。
蝋で私の身体を覆い尽くすかのように。

「風呂場で蝋を落としてきなさい」
と、言われ、お風呂場に行き蝋を落とす。
少ししてご主人様も、お風呂場にいらっしゃった。
そして
「ひざをのばしたまま、床に手をつけ」
と、おっしゃった。

床に手をついて待っていると、ご主人様が私に向かって尿をかけてくれた。
温かくて、嬉しくて、それだけで私は感じてしまっていた。


蝋燭がきつかったのか、ベッドに横になっても背中の熱が引かなかった。
ご主人様と一緒に横になり、ご主人様が自分の話をしてくれた。

「もっと話してもらえませんか?」
私が言うと、ご主人様は私が明日帰ることを考えて寂しいと思っていると
思ったのか
「未練がましいのは嫌いだと言っただろう?
 もう逢えないわけではないんだから。
 それともお前は、もう逢いに来ないのか?」
と、おっしゃった。
私は、寂しいというよりも、ただ単にもっとご主人様の話を聞いていたい、
と思っただけだったけれど、
「逢いにきます」
と、か細い声で答えた。
なぜか逆に悲しく感じて、涙が滲み、唇をかみしめた。

ご主人様は、腕を差し出し
「暑いからくっつくなよ。
 腕だけは貸してやる。
 冷房はお前の熱が冷めたと思うまで、つけておきなさい。」
と、言ってくれた。
私はご主人様の腕に抱きつくようにして、眠りに就いた。



結局、私は何もご主人様に言うことはできなかった。
自分が溜め込んでいた気持ちを吐き出したい、と思っていたにも
かかわらず、逢っていたときの幸せとほんの少しの寂しさで
次に逢えるまで頑張ろう、という気持ちを強くさせただけだった。





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