
アタシの住処。 無機質なマンション群。 なのに、ぽつりと、枝垂れさくらの樹。 一本、だけ。 なんでも。 この地を開発するトキ。 霊木と謂われのあったこのさくら樹を。 祟りを畏れ、伐採するのを拒んだ業者により。 囲いに覆われ、守られたのだ、そう。
この樹は。 真っ青な空より、少し。 暮れなずむ頃が美しく、映える。 そして、ヒトのすることなど、なにひとつ知らぬ顔をして。 ただ悠然と。 枝を伸ばし、花を綻ばせ、葉を茂らせる。 この樹を前に。 全てのものは。 なんとちっぽけなことか。 と、アタシは自分が恥ずかしくて頬を染める。 シヌのイキルの。 そんなこと。 トキが全てを解くのだ、と。 畏れにも似た想いで、ただ、樹を見上げる。
体調が万全でなく。 今週の更新は見送り。 そんな自分にちょっとめげるケド。 仕方ない。 仕方ない、けれど。 でも、明日も頑張る。
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