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言葉にならない色


アタシの部屋は西日が入る。
いつもは。
日中も。
ほとんど遮光カーテンをしていて。
暗い中、寝ているか、
PCの上の電気だけをつけて。
ネットをしているか。




今朝、ベランダへでた時。
陽射しはあるのに、風が秋の香りを纏っていたので。
そのまま少しだけ窓を開け、ついでに、カーテンもちょっとだけ。
開けておいたのだ。
そんな中。
パソの画面とにらめっこしていて、ふっと。
部屋へ色が流れ込んできていることに気がついた。






夕焼け!






見たこともないような、ブラッドオレンジの。
おすそわけが閉め忘れたカーテンから。
お届け物ですよ、とばかりに。
筋をつくり、アタシに、天の帳がおりる時刻を。
教えてくれようとしていたんだ。




カーテンを全開にするとそこには。
圧倒される、夕陽。
ジブンがちっちゃな羽虫のように想えるくらい。
大きな、大きな、オレンジのキャンバス。
この風景を言葉になんてできないよな、と。
深く息を飲み込む。
あれやこれやと。
内向的なジブンでさえまるで。
セカイの中心に立っているような、
キモチがパァ〜っと解放される。




幼い頃から。
空ばかり見てきたのに。
この頃は。
すっかり忘れていた、懐かしい想い。
なにもかもダメなアタシでも。
その懐の広さで。
ゆっくりと包み込んでくれる。
ダメなアタシでも、いいんだよ。



シブン……。



2009年08月24日(月)




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