それは、夢だった。 けれど。 アタシの中にはずっとそんな願望があったように思う。
父親の。 アル中で家庭内暴力バリバリの中育ったアタシは。 女性に乱暴なことをするオトコや痴漢を働くオトコが許せない。
夢の中で。 アタシは9cmヒールの真っ赤な靴を履いていて。 道端で女性に執拗に付きまとうオトコに怒りを爆発させた。 「いいかげんにしろよーーーーー」 と回し蹴り。 クリーンヒット。 オトコは仰向けに倒れ。 「嫌がる女性に何してるんだよーーーー」 と。 まあ一般的にオトコが弱い部分をヒールでげしげし。
ざまーー、というところで目が覚めた(笑 それをおさる君に話すと。 なぜか大事な部分を両手で隠しながら。 「アンタねえ」 「だいたい9cmのヒールなんて履けないでしょう」 「でもって」 「回し蹴りをしようとして自ら転倒して」 「頭を打ってピーポーピーポだよ」 と。
これには笑った。 確かにそうだから。 けれど夢は。 確実に願望を含んでいる。 まあ。 儚き夢の話なのだけれど。 ね。
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