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2006年04月14日(金)
下衆の勘繰り8。油と百姓と…。


「どうする?アイフル」で思い出した話です。



私の周りにも多重債務者がたくさんいます。

仕事でクレジットカードに携わりながら問題に思うのが、
「リボ払い」って多重債務者にするためにあるようなもんだと思う。

ふつう分割払いの回数が多いほど手数料率が上がるけど、
リボだと2・3回で完済できるような場合でも高い利率がかかってしまう。

例1:3回払いなら12%、24回払いなら15%の年率が、
リボ払いなら無条件で15%かかることになる。



しかもリボ払いの設定金額が低ければ、毎月支払うのは
ほとんど利息分だけになってしまって元本は一向に減らなかったりもする。

例2:100万円借りてて月利が1.25%、リボ払いの設定金額が1万円とすると、
毎月12,500円の利息が発生するから元本は減るどころか、
払いきれてない利息の分が毎月2,500ずつ増えてく。
(ほんとはもっとすごい勢いで増えてくけど)

例3:同じ条件で、リボ払いの設定金額が25,000円だとしても、
そのうち半分は利息ってことになる。
(この場合利息は12,500円よりだんだん少なくなってくから
まだ救いようがある。これ以上を借り増ししなければ、の話だけど)



貸す方にしてみれば手数料たくさん巻き上げられるすばらしいシステムなので、
消費者金融も普通の銀行もみんな、あの手この手でリボを全面的に勧める。

「計画的なお支払いができる」と謳ってリボ払い専用カードを作ったり、
「リボ払いで10万円以上お使いいただくと抽選で○○が当たる!」とか、
あるいは「後からリボ払いに変更できます」サービスを宣伝したりして。

で、ときどき勘違いして「どんなにたくさん買い物しても
月々の支払いは一定だなんて、リボ払いって便利だわ」っていう
リボ払い中毒者が現れると、もはやカード屋さんの思う壺です。

そして買い物だけにとどまらずキャッシングに手を出してしまうと、
手に負えなくなります(利率が倍くらいになったりするから)。

消費者は毎月一定額しか払わないで済むからのほほんとしていても、
実際のところ支払額の半分は利息に当てられて、
元本はちびちびとしか減ってない、と。



それでも律儀に毎月支払いをしていると、
やがてカード屋さんから葉書が届いて、
リボ払いのご利用可能額が増額されました的な案内が来ます。

架空請求にひっかかってお金を振り込んじゃうと、
こいつはカモだと言わんばかりに
あっちこっちから同じような請求が来るのと同じで、
「リボ中毒者さん、もっとたくさんリボって、
たくさん手数料を貢いでください。」っていう魂胆なのです。

そして自己破産やら調停やらされることなく、
継続的に手数料をたくさん払ってくれる債務者が現れるのを
カード屋さんは心待ちにしているのです。

搾り取れるだけ搾り取れ、ということ。

で、十分搾取して、そろそろ個人再生するかなというレベルの人には
「じゃあ後は元本だけでいいですよ(もう十分儲かりましたから)」
と優しい声をかけたりする。

債権を全部放棄しなければならなくなるよりは、
元本分だけでも回収できた方がいいしね。



ただ、一概にカード屋さんが悪で、債務者が被害者であるとは思いません。

テレビでよく、
多重債務者が被害者面して「非情な取り立ててで鬱になりました」
みたいなことを言うモザイクな人がいるけど、
「返せない金をどうして借りたのですか?」とつっこみたくなります。

ニュースで「アイフルの被害者の会」みたいな人が
罵声を浴びせる督促の電話を録音してて、
「さっさと返せバカやろう!」と怒鳴る社員に
「上場企業の人間が言う言葉ですか、ヤミ金といっしょじゃないですか」
と穏やかに文句を言っていたけど、
あんた借金を踏み倒そうとしてる人間が何を偉そうなことを言うかね、
と思ったりもしたり、しなかったり。

債務者の穏やかで余裕のある口調から察するに、
(録音されてるともしらずに…へっへっへ)とでも思ってたんでしょうね、
きっと。

意地の悪い、見苦しいことです。





個人的な結論。

リボは使わない。

リボ払いするくらいなら、
どんなに手数料がかかっても24回払いとかを選ぶ。

あるいは、手数料とか分割とか気にする必要がないくらい稼ぐ。





エンピツ