芥川竜之介の「羅生門・鼻」という短編集の中の「邪宗門」を読み終えました。
読み終えたというか、これは未完ということだそうです。
なかなかいい場面で話が終わってて、非常に続きが知りたいところだけど、 なぜ未完で終わってしまったかというのを、本の後ろの方にある解説では 「想像をふくらませすぎて収まりがつかなくなったからであろう」みたいな むちゃくちゃな理由付けがされていました。
プロの作家がこんないい加減な理由で話を打ち切っちゃっていいの?
しかも新聞の連載小説だったといいうことなので、また驚きです。
そんなことしたら読者からも非難轟々で、 仕事もこなくなっちゃいそうな気がするけど、 だいじょぶだったんだろうか。
そんな心配をしても今更仕方がないんだけど、 個人的には、同じ短編集にあった「袈裟と盛遠」がすごく気に入りました。
たった9ページしかないんだけど、それだけで一本の映画が出来そうなくらい、 ぎゅぎゅぎゅっと凝縮された密度の濃い作品のような気がします。
良いとか悪いとかいう価値判断とはかけ離れた次元の 二人の濃密な関係がどうこうというのもあるけど、 二人のすれ違いざまが切ないというか、がびーんというか、衝撃的というか…、 なんとなく言えば、「もののあはれ」です。
まだよくわかんないところもけっこうあるので、 また読み返してみたいと思います。
王朝ものもいいけど、なんだか高校の古文みたいな難解さが めんどくさいんだよね…。
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