私の雑記帳
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2005年10月12日(水) 男と女

八百屋お七の気持ちがよくわかる。
破滅的なその行動には、大いに問題があるにしても
そこまで追い詰められた気持ちは、切ないほどよくわかる。

どんな方法であろうと、会えるのなら・・と思ってしまう私。
相手がずるいのではなく、私が浅はかなんだよね。
それでも、会いたい・・と思う。
好きということに理屈はいらない。



電話だけれど、久しぶりに少し話ができた。
最近、私が感情を表に出さずにいることを
彼は、ちゃんと気がついていてくれた。
「私があなたにしてあげられる、最大のことは、
貴方の迷惑にならないこと(精神的負担をかけない)であり、
緊急の用事以外で連絡をしないことだと気がついたんだよ。
でもそれって、つまり私はいないほうが貴方のためになるって
ことなんだよね」
と言ったら、
「いない方がいい、というのとは違うけど」とこたえた。

会うこともできない、話すこともめったにない、淡い関係。
あるのは、私が彼に貸しがあるということ。
心ならずも、彼に恩を着せている状態の私は二重に辛い。
彼も厳しい状況だが、私だって苦しい。
時にはなぐさめられたいと願うのはいけないのだろうか。
私の女としての時間は、もうそんなに長くない。
同じ街に住みながら、会えるのは年に数回しかないなんて。
まして同衾できる機会はもっと低い。
淡白な彼はそれでいいのかもしれないが、
私は毎日でも飽きるほどしたいと実は思っている。
愛されている実感がなくて、身体も満たされないとすれば
私は何を支えに生きたらいいんだろう。

最初に戻るけど、だから私は、彼に対してできる限り
気持ちを抑えるようになった。
感情的にアプローチしたところで、全く何の徳にもならないどころか
私が寂しくなるだけだから。
そして、対策として彼に感情を出さないだけでなく、
彼に無い物ねだりをするのをやめようと思ったのだ。
愛されたい、というのは実はとてもおこがましい。
愛するなんていうのは、自然に沸き上がる感情であり
どんなに頼んでもすがっても、全ては相手の感情なのだから
私はどうすることも願うこともできないのだ。

そんな境地に至ったから、
私は彼から気持ちを少し離すことができた。
気持ちを少し離すのは、実はとても寂しいことだけれど。
私は彼を好きだけれど、彼一筋に思いつめるのは
私のためにも、彼のためにもならないから・・と言い聞かせている。

いまもこうやって、日記を書きながら自分に言い聞かせている。
彼を好きであればあるほど、彼をもっと諦めなければならないと。


pearl〈パール〉 |MAIL

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