私の雑記帳
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2005年11月18日(金) 「La Mer」/クリスマスケーキ




ハードで破滅的な曲ばかり中毒のように聴いていた反動で
今日は、久しぶりに優しい曲を聴く。

『French kiss』のサントラにしか入っていない曲だが
ケヴィン・クラインの唄う「La Mer」は、とても渋くてよい。

・・・


友人にメールを送った後だったので、その返事が携帯に来たのかと思っていたら、妙に長く鳴っている。(私の電話とメールの着信音はよく似ているので聞き分けられない)
見るとFさんからの電話だった。まったく気まぐれな出来事なので狼狽する。

用件というのは「仕事のお付き合い(義理)でクリスマスケーキを買うのでお前にやるが、いつが都合がいいか」であった。唐突に聞かれてもどきどきしているので、何を話していいのかわからない。
私から用事もないのになるべく電話しないようにしようと思って日々耐えていたのに、拍子抜けするほどあっけない。まさかこんなことで電話がかかってくるとは思わなかった。

人ごとながら気になっていた、交通事故で入院していた息子は退院したのかをたずねると、つい先日退院したが、風邪でダウンしているとのこと。「そうよね、内牧(地名・・北の果て)の風はさぞ冷たいでしょうから・・」と皮肉っぽく言ってみて、ふと「でも東京育ちなら、こちらより向うの方が寒いでしょう?」と言うと「うちは海の方だけど、こっちの方が寒い」と言った。「晴海だったわね」と言ったら「勝鬨!」と言って怒られた。
なんと、どうでもいい話しなんだろう・・。

聞いてもいないのに「先に言っておくけど、ボーナスは○日だから」と言った。Fが夏にお中元商品で知り合いに頼まれた商品の代金約24万は私が娘の学費から立て替えたが、最悪はそれをボーナスで返すからと言っていたが、まさか本当になるとは思わなかった。
「先方は(商品代金を)払ってくれないの?」と愚問するが「もう無理」とそっけない。「あなたはそれでいいの?悔しくないの?」と更に当たり前のことを聞いたが「仕方ない」と言うだけだった。
私が先月、詐欺師の口車に乗って発注し買い取らなければならなくなった時の代金は7万弱だったが、その時は商品は私の手元にあった。しかし、Fの場合は客に依頼された分なのでまるまるの損失。人ごとながら、痛恨すぎる。
そういえば、去年も仕事がらみで貸したお金を12月のボーナスで返してくれたことを思い出した。その時は忙しいから振り込んできた。そっけなさすぎて、そのとき私は二人はもう終わったと思った。あれから1年経ったのか・・。

先日、過去の日記を読み返したが3月の日記に「彼は未練というものを全く持たない・・・」というくだりがあった。wetな私とは正反対のdryな性格が羨ましくてたまらない。クールな思い切りのよさは少し見習いたい。

「出来たら年内に食事でも・・」と話したら、返事だけは乗り気だったので少し嬉しくなったが、相変わらずものすごく忙しい、死にそうだとぼやいていたので、多分そんな時間はないだろうと思う。息子二人がそれぞれ受験だし、お金はないし、仕事は忙しいし、Fの頭の中には生活だけで精一杯。私のことなんか、もともと何もない。

でも、それが私たち。
かまってもらえないのが寂しいという気持ちを越えて、私たちは、元々そういう間柄なのだと強く思う。一番さみしいことは彼は私がいなくなっても悲しまないだろうということ。そんなふうに考えると悲しくなるけれどそれが現実、仕方ない。
いつか遅かれ早かれFはいづれ当地を離れるだろう。その時になって狼狽しないよう、私は今から心の準備をしている。こんなふうに、少し離れてFのことを考えられると気持ちも軽くなる。本当はもっと早くからそうすべきだった。わかっていても私はずるいから、心だけは本当に彼に頼りたかったのだ。


pearl〈パール〉 |MAIL

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