月に舞う桜
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移乗も着替えも排泄も洗顔も整髪も入浴も人に頼らなきゃならない人生が、本当に耐え難い。
2023年3月から週に一度、朝の身支度で居宅介護を利用している。 まだ2年ちょっとなのに、ヘルパーはもう5人目だ。退職などで、だいたい半年ごとに替わっている。決して、わたしが苦情を言ったりして替えさせているわけではない。 ヘルパーに頼むととにかく時間がかかる。親にやってもらうより倍近くかかる。 どのヘルパーでも、慣れてきても同じ。もたもたしてるわけではないのに時間がかかる。 ただでさえ健常者より生活に時間がかかるから親にやってもらうときでも早めに仕度を始めるのに、今後親が病気になったり死んだりして全面的にヘルパー利用になったらどれだけ時間があっても足りないし、ストレスが半端ない。
汗を拭くのも洗顔も髪をとかすのも、もう少し強い力でしっかりやってほしいけれど、どのヘルパーも、気を使ってか、やんわりとしかしてくれない。 特に髪を梳かしたりセットしたりするのは、どのヘルパーにも「もっと強めで大丈夫です」とか「容赦なくやってください」と何回言ってもだめ。 別に手の込んだアレンジを要求してるわけじゃない。髪をスタイリング剤で濡らして梳かすだけだ。 以前は肩上まで伸ばした髪を一つに結んで、耳の下をアメリカピンで留めていた。きつめに結わいてほしい、ピンもきっちり留めてほしいと何度頼んでも、結び方もピンもいつも緩くされてたわんでしまう。 これからずっとこれを我慢しなきゃいけないのかと絶望して、今年の3月に思い切ってショートカットにした。 でも結局、思い通りにならない。
こういうことを友人二人にLINEで話したが、私の苛立ちや絶望感はいまいちピンと来ないようだ。
居宅介護の利用を始めたときは、ヘルパー利用に慣れれば、親が死んだあとも生活していける実感ができて安心感を得られるだろうと思っていたけど、まったくそんなことはない。 居宅介護の利用日は、ヘルパーが帰ったあと、いつも「こういう人生をあと何十年続けなきゃいけないんだろう」と絶望的な気持ちになる。 週に一度しか居宅介護を利用していない今でさえこんなにストレスが溜まるのに、全面的にヘルパー利用で生活するとなったら、ストレスで自分がどうなってしまうか分からない。
とにかく、日常的に介助が必要な人生が面倒で煩わしくて耐え難い。 こんなことに耐えてまで生きなきゃいけない理由が分からない。早く人生から出て行きたい。
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