月に舞う桜
前日|目次|翌日
6月に居宅介護のヘルパーが替わった。 ヘルパーが替わっても、相変わらず、親にやってもらうよりかなり時間がかかるし、髪のセットが全く思い通りにしてもらえない。 いまはショートカットだから、結ぶ必要はない。出かける予定のない日は、髪を水とヘアミストで濡らして梳かすだけ、出かける日でも、さらにヘアワックスをつけて崩れないようにするだけだ。それだけなのに、ちっともきちんとならない。 いまのヘルパーも、以前の人たちと同様、気を遣うのか髪の梳かし方が緩い。「真下に強めに梳かしてください」「遠慮せず容赦なくやってください」「地肌にブラシが当たってもかまわないので、強めに」と何度言っても、しっかり梳かしてくれない。それで、髪をセットして少し時間が経つと、髪が膨らんできて何もセットしていないかのようになってしまう。 先週も今日も出かける予定があったが、そのままではとても外に出られないので、母にやり直してもらった。 居宅介護利用日の前日になると、どうせ明日も髪がまとまらないんだろうなと考えて、絶望的になるしどうしようもなく苛々する。どうにか苛々を抑え込むために、必死で太腿を爪で引っ掻く。 いっそ坊主かベリーショートにしてウィッグを被るべき? と思うほど追い詰められてしまう。 でも、ネットで調べたところ、ウィッグをつけるのもコツがいるようで、普通に髪を梳かしてセットするのもできないヘルパーが、ウィッグをきれいにつけられるとは思えない。 本当に、どうすればいいか分からない。
|