fleur bleue
sora



 そびえ立つ壁

傷つくことに臆病になっていた私は、
いつしか自分の周りに高い壁を作っていた。

頑丈で、
無機質で、
感情も温かみもない灰色の壁。

来るものを拒み、
行くことを遮る壁。

やがてみんなは去ってゆき、
そこには沈黙だけが残った。

さみしくて、
さみしくて、
それでも壁を打ち壊せずにいる。
乗り越えられずにいる。

壁の内側にあるのは、
限りなく深い孤独。
それ以外は何もない。

2005年12月17日(土)
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