おうち鑑賞

2010年08月21日(土) 『エマ』


『エマ』Emma 1996年/英=米 ダグラス・マクグラス監督


以前、レンタルビデオをダビングしたのを見る。

『ベルベット・ゴールドマイン』のユアン・マクレガーつながりで見る。

レンタルビデオをダビングし倒していた当時は、香港映画を見ることが中心で

あと気になった作品はダビングだけ済ませて長い間積読(積見?)になっていたのだ。

今、見ることが出来て本当にうれしい。

今の自分だから、大好きだと思えるのだと思う。



高慢ちきな上から目線の人々の上流社会が舞台ではあるのだが

(紳士とされるナイトリーだってよくよく見ればそのカテゴリーなのだ)

その世界を是として描いていないのはよくわかる。

俯瞰でそれらの人々を見ている。皮肉な目線、面白がる目線。

そういう高慢ちきな人間や社会を、コミカルにロマンチックに感じさせてくれるのは

グウィネス・パルトローの演技力、魅力の成せる技が大きいと思う。

女子目線で見るエマは、媚びるところがなく痛快で魅力的だ。

エマのおせっかい攻撃にさらされるハリエットを演じたトニ・コレット

(この作品にも出演してた!『ベルベット・ゴールドマイン』とは大違い。)

いけ好かない牧師役を演じていたアラン・カミングという俳優さん、

エマをめぐる人々を演じる俳優さんたちの演技の上手さもたまらない。

そしてボディブローのように見る度にじわじわ心を鷲掴みにされる

ナイトリーを演じたジェレミー・ノーサムの存在は大きい。

エマを愛しながら、自分の気持ちは抑えてエマの成長を見守るという

静かな立ち回りの役柄だが、エマへの感情がひしひしと伝わってくる。

相手を思うゆえの自己抑圧を強いた(と言ったら語弊があるかもだけど)

紳士の佇まいがすごく魅力的だ。

この作品においては、結末を知ってから再見する面白さがあると思う。

エマやナイトリーが、なぜあの時あのような表情したのか・・・

登場人物たちの向かう気持ちをわかった上で見ると、またそれはそれで心に染みる。



高慢ちきだろうが上から目線の人々の社会だろうが

そこにピュアな心情が描かれているからこそ感情移入や共感ができるのだ。

ジェーン・オースティンの小説が読みたくなった。

『高慢と偏見』も見たくなった。

そして、その後延々『エマ』を見続けることになるのだ。








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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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