2010年08月28日(土) |
『苺とチョコレート』 |
『苺とチョコレート』Fresa y chocolate 1993年/キューバ Strawberry and Chocolate トマス・グティエレス・アレア/フアン・カルロス・タビオ監督
ずいぶん前にレンタルビデをダビングしてあったVHSテープを見る。
たぶん一度は見ているはずだが初見感覚で見る。
自分にとって今がこの映画と出会うタイミングだったのだと思う。
本当に良い映画だと思う。
説明していない、ひねり過ぎてもいない。
関係に、背景に想像が及ぶ、ダイレクトに感情に響いてくるシンプルな台詞。
そして直接的な表現ではなく行間に漂う示唆。
キューバ、革命、というキーワードや映像のトーンから
一見、重々しく堅苦しいイメージだけど
大学生の男子とゲイの男の友情と切ない想いを軸にして物語が語られているので
社会の矛盾や思想の自由などのテーマが自然に受け止められる。
どんどん引き込まれていく。
ゲイの男ディエゴを演じたホルヘ・ペルゴニアってキューバの俳優さん!?
もう最高!
『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハートと最近『エマ』で知った
ジェレミー・ノーザムの甘さと礼節がオーバーラップする。
視線の表情だけで溢れるような想いが伝わってくる。
本当に胸が痛くなった。
余談だけど、作品の中で「かわいい」「天使」と形容されている大学生のデビドは
日本人の自分にとってはずいぶん違った印象に見える。
かわいいと言うよりジミー大西さん系ではないか。
国による価値観の相違なのだろうか。
しかし大学生の男子まで甘いキャラクターだと
物語が違うニュアンスになりそうだから
この配役なんだろうなあ、と思ったりする。
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