2010年09月15日(水) |
『ゲッタウェイ』 『マッチポイント』 |
『ゲッタウェイ』The Getaway 1972年 サム・ペキンパー監督 ウォルター・ヒル脚本
以前、サム・ペキンパー監督の名前を知らずに見た『わらの犬』と同様
男の生理が貫かれた世界であった。
裏路地にある、常連のオッサンたちがたむろする知る人ぞ知る立ち飲み酒場。
余程の理由がなければ女一人が店に入るにのには勇気がいる。
もし店に入ったとしても所在がない。そんな感覚。
女子が(少なくとも自分は)サム・ペキンパー監督の作品を
気持ちの芯のところで面白がれるようになるには
ある程度の学習が必要だと思う。
サム・ペキンパー監督が描いている世界は
物事の本質を突くリアリティなのかもしれないが
(これは性差で感じる問題ではないかと思うのだが)
女子として不快に感じる描写なのだ。
芸術表現に対して、不快に感じることを善悪に分けること自体違うと思う。
だから学習という言葉を使いたいと思う。
物語の進行自体、ハリウッド的(悪事には清算が待っているという)結末を
想像していたので意外だった。
とはいえ、どっちに転ぶかわからないという種を残しつつ。
そしてその種も微妙な種のまき方で面白いと思った。
時間を置いて再見する。
『マッチポイント』Match Point 2005年/英=米=ルクセンブルク ウディ・アレン監督
久々に再見する。
金持ちの娘と結婚し、のし上がって行く男を演じているのが
『ベルベット・ゴールドマイン』のジョナサン・リース・マイヤーズだとわかったからだ。
『クーリンチェ少年殺人事件』に出演していた
チャン・チェンと何故かオーバーラップしてしまう。
一見普通に見えて自然体なんだけど、エキセントリックさを
内包しているように感じさせるところが共通しているのかな?
再見して意外だったのは、初見の時より
物語がすごくサクサク素早く進行しているように見えたこと。
初見の時は、もう少し重厚感を感じながら見たと思う。
再見なので、無意識的に頭の中で整理しながら見たのかもしれない。
良い意味でわかりやすい物語だと思う。
あ、それから、ウディ・アレンが俳優として出演してないとホッとするわー。
ウディ・アレンが出演していると、うるさいから黙って!とか思ってしまう。
『トレインスポッティング』に出演していた役者さんが刑事を演じていて
それもまた面白かった。
作品的に面白い。佳作に違いない。
時間を置いて再見したい。たぶんDVD購入する。
本日見た作品は奇しくも(?)、ハリウッド的結末ではない
(どちらに転ぶかわからない種がありつつの)結末シリーズの2作品だった。
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