『おとうと』2009年 山田洋次監督
僭越ながら、さすが「世界が存在している」なあと思う。
予算の関係だか、製作者の力量の問題なんだか
近年の日本映画は、半径1メートル以内のチマチマした
ツギハギという感じがするのだ。
それに比べ、山田洋次監督の作品は安定感があって安心して見られる。
しかし、裏を返せば何かがビシバシ刺さってくる感じでもないということだ。
リアルタイムの物語だけど、登場する若者は年配者が作った
キャラクターのように感じた。
あと「みどりのいえ」に関わる場面にもっとリアリティを感じたいとも思った。
一昔前の教育テレビ的というか、どこかの機関が配布する
指導ビデオちっくなトーンに思えて違和感があった。
曲がりなりにも自分自身が経験しているリアルがあるから、余計そう思えてしまったのかもしれない。
ただ、山田洋次監督作品の見方のツボを自分の中に開拓すれば
違う角度から見て、違う感じ方が出来るような気もしている。
量は質に変わる。寅さんシリーズ作品をピックアップして見る。(かも)
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