2002年10月29日(火)
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拉致家族の報道にはうんざり。
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拉致家族の報道にはうんざり。
1つには、世論という名の涙の娯楽に国の政策が煽られているのを見るのが怖いから。 日露戦争の賠償金が少ないと言っておきた暴動を思い出す。 (思い出すとか言っちゃうから、また、おばぁちゃんみたいなこと言ってって言われるのだが。)
太平洋戦争についてはみんな、つらくて大変でした。嫌でした。私は被害者でした。 って言うんだけど、イケイケって、政府を後押しした圧力が政府を追い詰めたってとこは、 少なくとも日中戦争についてはあったはずだし、みんなが嫌だ、100人が99人やだ! って思ってたら、戦争なんか起こさないじゃん。
ひいきのチームが勝った翌日のスポーツ新聞を楽しむように、 戦争という名の外交にはしゃいでた民衆の圧力があったと思うのさ。
そんな泣きのカタルシス、昼下がりの大河ドラマに一国の政治がおたおたするのは、正直見てて怖い。
2つには。 被害者の家族の意見にいい加減辟易してるってこと。横田さんたちはすっごく立派だと思うけど。 それ以外の人はおしなべて嫌い。
家族をピョンヤンには絶対返さない。飛行機を飛ばさなきゃいいっていう意見を、 真面目に言ってるのを聞くと、疲れちゃう。
まず、向こうにおいてきた子供はどういう気持ちでいるか。 電話も出来てないだろうし。いきなり両親が旅行に行って来るって出て行ったまま、帰ってこないんだぞ。 中学生の子もいたと思うんだけど。さぞ心細いと思う。それは放って置いてよいのか。
それに、北朝鮮で生まれ育った人間が、成人後いきなり、 『キミは日本人です。自分の国に帰れ!ほれ帰れ!』と言われて、来たこと無いどころか、 敵国として教え込まれた国に送り込まれるって、それ拉致と同じだよ。 心壊れちゃう。
それに日本ってそんなに良い? 日本が良いってそれ、洗脳なんじゃないのか?
北朝鮮より日本が暮らしやすいって私は思うけど、他の人は違うかもしれない。 しかも、工作員でピョンヤンで暮らしてるってことは、かなり食糧事情とかも恵まれ、 その業界では幹部としてそれなりに尊敬される地位を20年間に築いてたって可能性も高い。 それなりに、平穏な日々を過ごしていたかもしれないじゃないか。
はたから見たら洗脳でも、渦中にいる人間はそんなこと気づかない。 なじんで幸せを見つけて日々を過ごしてるだけ、平和を感じてたかもしれない。
話しそれるけど、日本の30代男性の4人に1人は月に80時間以上の残業をしているという。 稼働日数が月20日として、一日4時間。 この勤務状況を洗脳といわずしてなんとよべばよいのか、見当もつかない。
それは、さておき、 多分さ、20数年間、努力して家庭を作り、友人やご近所との友好関係を築き、 自分なりの幸せを作ってきたと思うのね。 それを一切認めもせず、20年前の自分に戻れ、全てを捨ててただ帰って来いって、 それは一種の侮辱じゃないかって気がする。
自分の過ごした年月・努力がすっからかんになっちゃうって、悲しい。 今すぐ送還しちゃえって思ってるわけじゃないけど、一度帰って持ち物とか取ってくるなり、 家族と相談するなりする時間は必要だと思う。
コマーシャル挿入用に切り刻まれて、せわしないTVみたい。 もっと、人の人生は人の歩く速さで展開させてあげたい。
alain
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