INDEX
prev
|next
|
2012年10月02日(火)
|
tick,tick・・・BOOM! 感想の続き
|
・再演時の時は、叩いても扉が開かないことへの"焦り"を感じたが、今回は"疲れ"を強く感じた。 歳取ったということか。お互いに。
・35歳から36歳。35歳で亡くなった作曲家で幕を下ろし、35歳で亡くなった作曲家で幕を開ける。一種のシンメトリ。 このめぐり合わせ、美しくさえある。
・「閉じない」というメッセージを受け取った。 最近読んだ本で「否定しない」と書いてあった。共感する必要も同意する必要もない。 あーそうなんだ。と思って受け取って流す。 思えば、自分と違う意見をやっきになって攻撃する必要は無い。 判決や意思決定の場なら実害があるから当然だが、雑談(ネットも含む)なんて、誰がどんな馬鹿なことを言っても全然自分には関係がないことなのに。 ムカついたり、耳をふさいだり、してしまう。怖がりなんだろうな。自分の意見や信じてきたことが揺らぐようで。
自分の愛するものは揺るがない、という自信。自分の感覚を信じること。 淡々と続ける。理想も未来も現実の雑音にも、"目も耳も閉じない"。
私は多分、いや、絶対。何度も閉じてしまうんだろうけど、でも、何回も開け始めることは出来るかもしれない。 と、心にぽっと灯る炎を分けて貰った気分。
・28日は各年齢層の男性客も多かった。典膳様で興味を持ったのか、Jonathan好きなのか、TTB!の話が染みるのか、チケット購入の動機はなんだろう? ・30日はさすがにほぼ女性客。「見届けてやるぜ!何一つ見逃さないぜ!」の気合に満ちていた。
・前方で見ると、汗を飛び散らせながらの熱演がしっかり見えて、表情の細かい動きも見えるし、 かぶりつきはかぶりつきの良さがある。 後方から見るとあの汗だくはわからない。声や動きには大変さが出ないから。 しゃべりっぱ、動きっぱ、だもんな。さらっとやってるから分からないけれども。
・慣れすぎて流しがちだけど、台詞から歌への流れの自然さは山本さんならでは。 演技と歌の切れ目がない。 ・2幕のWhyの前のモノローグは、演じるスピード感が絶品で、この空気を缶詰に閉じ込めたいと思った。
・Sugarの振り付け好き。 ・COME To YOUR SENSEの女神のような衣装が素敵。宇宙を感じる。 ・「ローザ・スティーブンスが踊りながら入ってきた」とふられ、リンボーダンスで入ってくるすみれちゃんナイス。 ・一瞬台詞が飛んだ?お父さん役のジェロ。山本さんと二人でくっくっと笑うのが可愛かった。 ・舞台もこなれた千秋楽っぽく、ちょっと遊びもはさみつつ、劇は進む。 何があっても中心にすっと戻せる山本さんの舵あってのことだろうと。 古田新太の安心感を思い出した。
・14日は今一つだなぁと思った3人のハーモニー。(主にすみれちゃんの音がぶれたことでないかと・・・) 28日、30日ともに素晴らしかった。 ジェロの湿った濃い声、すみれちゃんの真っ直ぐな強さ、山本さんのハスキーな甘さ。 合わさると、チョコレートサンデーのような豪華さ!
・'鴨'志田に、・オウムちゃんに、文鳥に、今回はカモメ。今年は鳥年か?
・新年の"国芳"特集番組で、国芳の作品はて自分の解釈をあれこれ話す楽しさがある、と話すときに、さらりと 「けなして楽しい」と表現していて、どきっとした。 世間の衆目にさらされる立場の人の、突き放した達観、のようなものを感じた。
ということで、"けなして楽しむ"。
・歌詞が音余り、というか、もう少し饒舌でも良かったんじゃないかなぁ。 ・COME To YOUR SENSE。LOUDER THAN WORDの歌詞は好きだけれども。 Whyの歌詞は重い出語りが少なくて、と寂しかった。
・最後、バンドメンバーの紹介が欲しかったです。
・ゲイリーの歌を聴いた時のような、おぉ!感がなかったのが残念。
最後にこれは"けなし"ではなく、思ったことです。
・ミタニンですら、大河でオスカーの社長案件(当時)を使わざるを得なかった。 思うが侭に創作活動することは、どんな立場であっても絵空事で、誰もが叩き続けて開かない扉を前において、日々を生きている。 とは言っても。 山本さんは主演・演出・(以下省略)をする場は手に入れているわけだ。 (代償の話は割愛。人生は自動販売機と違って、同じ努力をしても同じものを得られないのだから。)
同業者ないしは類似の職業に合って、本当にまだ何物でもない人、そして30にならんとしている人、もしくはそれ以上の人、にこの舞台はどう写ったか。 (とは言え、見に来るだけのコネクションないしは、お金があるだけで、その他大勢より、既に何物かではあるわけだが) 誰を思い浮かべての話かも割愛。
追記、と言いつつ書き出すと長かった。もうないかな。
alain
|