ある本で引用されていた一節。
人間は弱くて愚かで威厳の欠片もないにしても、生きのびる力だけは持っている。 これが喜劇の強調する眼目である。 悲劇の主人公はその理想のために苦しんだり、それに殉じたりするけれども、 悲劇の主人公にはそんなものは薬にしたくもないので、あっさりと生きのびる。 (ジョセフ・ミーカー 『喜劇としての人間』)
と振り返ると、典膳様の美しさはまさに悲劇の王道だ。 想像の世界で美しさを昇華させるのもまた、人間の逃げ道なのだろうなと思う。 三谷幸喜が震災を経て、こういう時こそ喜劇!と思ったのは"生きのびる力"への後押しか。
この手の言葉に惹かれるのは、何だかんだ言って、心穏やかならぬからでしょうなぁと思いながらも、 力にはなる。
さて。
alain
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