![]() |
![]() |
あたしが休みの日。 華は仕事の日。 少しだけ、という約束で、仕事上がりの華に会いに行く。 帰り道の時間だけが欲しくて。 けれど、少しだけ遅くなれるから、と。 久しぶりにカラオケ。 でもね、あたし、頭痛が酷くて。 あんまり酷くて。 歌なんて歌ってる場合じゃない。 でも、頭が痛むその分だけ、華へと注がれる感情も高まっていく。不思議。 二人きりの部屋の中で、キスをした。 もっと、と強請れば、華はダメだと繰り返しながらも、あたしには逆らえないで。 何故だかとても広いトイレで、いけないことをしてしまった。 漏れる声を、叱られて。 震える足を、掴まれて。 耐えられないと嘆くこと、数回。 お客さんが少なかったからね。 ずいぶんと奥まった造りだったからね。 ちょっとだけ、反省。 それなのに。 なんで帰り道の神社で、またしちゃうかなぁ。 蚊にいっぱい刺された。 華にいっぱい虐められた。 誘ったのはあたしだし、許可を与えたのもあたし。 滅茶苦茶にされたい。 壊されてしまいたい。 そんな、凶悪な欲求から。 顔を上げれば、柵の向こうには道路。 暗くてよく見えないけれど、屋外には変わりない。 そんな中で、滅茶苦茶感じてしまったのは、二人とも。 ね、同罪なの。 蚊に刺されてたまんない痒みを堪えて、華とばいばい。 また、明日の朝に。 ほんの少しの逢瀬のために、努力して、早起き。 なんだ、あたし。 まだ大丈夫そうじゃないの。
|
![]() |
![]() |