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寝ぼけ眼で見つける、朝方、華の顔。 両手を広げて、おいでおいでを繰り返すと、華は意地悪をして、近付いてこない。 手の届かない、それでも見える場所に座って、あたしのことを笑っている。 今朝は、何だか本当に寝ぼけていて、ついつい、華の手を掴んで引き寄せてしまった。 「朝から元気だね」って、華が笑う。 あたしは泣きそうになりながら、華に縋っていた。 珍しく、何度も、何度も繰り返して名前を呼ぶ。 名前を呼ぶ声も、まともに響かないぐらい、あたしは寝ぼけていた。 何よりも、寂しかったんだと、思う。 よくわからない。自分。 よくわからない。 気分を上げてみたり、落としてみたり。 笑ってみたり、泣いてみたり。 季節の変わり目は、天気も変わりやすい。 あたしの天気は、いつだって移り気なんだ。
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