![]() |
![]() |
それでも、気持ちは削がれていく。 ゆっくり、ゆっくりと。 何気ない瞬間でも、あなたが嫌な顔をした。 あたしが何かをしたと言うよりも、あなたが不服だと思ったのね。 地元を離れた出先。 エレベーターの順番待ち。 日曜なんだし、駅ビルなんだし、前にいたのは家族連れなんだし。 列になってたのがわかんないの? 入り口近くに立とうとしたあなたの腕を、あたしが引き止めた。 それだけのことよ。 不機嫌になったあなたと、それを見つめるあたし。 あたしは、わけもわからず、あなたよりも機嫌を悪くした。 図々しい人は嫌い。 確かに急いでいたけれど、そんな風にする必要はないでしょう? どうせ同じエレベーターに乗るんだもの。 先だろうが、後だろうが、変わらない。 後になってから、ごめんと繰り返していたけれど。 好きなことに変わりなんてないけれど。 削ぎ落とされていく何かを感じている。 そう思える日が来るのかな。
|
![]() |
![]() |