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お休みの日。 大阪まで出かけて、タトゥーを入れてきた。 本当は華も早く入れたかったみたいだけど、時間的に一人しか入れられないと言うことで、あたしの粘り勝ち。 まあ、もともとはデザインの相談だけで行ったからね。 実質二時間弱。 左の胸の上に、黒い蝶を刻んできた。 痛みはもちろん、とてもあった。 華の手を握らせてもらって、あたしは唇を噛んで堪えた。 たまらない。 焼きごてを皮膚の上に這わされているような気分。 華がいなければ、あたしはきっと、我慢できなかったと思う。 緩やかに切り刻まれる感覚。 痛みも少しはましになる段階になったら、もう痛覚も麻痺してきて、何が何だかわからなくなってて。 室内のテレビで再放送していた、「Dr.コトー」を聞いていた。 天井を見ていた。 華の手の、握りかえしてくる強さを味わっていた。 あたしの左胸の黒蝶。 そして、来週には、華が左肩に黒い蜘蛛を入れる。 蝶と蜘蛛。 捕食される生き物と、捕食者。 あたしたちの関係には相応しいでしょう? こうして、互いに綺麗な傷を見せ合って、一生過ごしていくんだ。 あなたの手に追われて。 踊らされて。 楽しみだよ。
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