あなたに綺麗な傷をあげる
生涯、忘れられないように


お願い、断らないで。
2006年10月26日(木)


あたしの胸の蝶は羽化寸前。
皮膚が引きつって、飛び立つのを構えているよう。
華の蜘蛛は生まれたて。
柔らかい皮膚の上で震えている。



そんな状態だから、一週間ぶりのお休みなのに、何もできない。何もしない。いくら華に強請っても、何一つくれない。

ねぇ、忘れちゃうよ。
あたし、忘れっぽいんだよ。
全部を愛してくれないと、愛したことすら忘れるよ。
一週間も会わなければ、あなたのことも忘れるよ。




↑コメント変わります↑



身を捩って、蝶を踊らせ。
視線を捕らえて、引き込もうとする。
それなのに、華は指一本触れない。
出かけよう、と言って支度を始める。





ねぇ、華。こっち見て。お願い、どこか見ないで。華。ねぇ、あたしを忘れないで。忘れさせないで。一人で置いていかないで。愛することを、愛されることを。刻んで。こっち見て。華、お願い。お願い。お願いだから。
あたしのことを、誰よりも欲しがっていてよ。





拗ねたあたしが不貞寝すると、ご機嫌取りのキスが降ってくる。
いつまでも拗ねていると、華が苦笑いをして、ようやくお相手をしてくれる。あたしの蝶を弄びにかかる。





華、あたしは。
ううん、あなたは、本当に、今、しあわせなの?



こんなあたしで、いいの?
我が儘で自分勝手で、傲慢なあたし。
そんなものを、貴方の腕は抱きしめてくれるの? それは義務ではなく?




↑コメント変わります↑


こんなことを言ったら、あなたは怒るかな。
それとも、また悲しい顔をするのかな。



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