あなたに綺麗な傷をあげる
生涯、忘れられないように


蜘蛛と蝶。
2006年10月25日(水)


今日、華の墨入れに付き合ってきた。
夕方からの予約。
本当ならあたしは仕事なんだけど、拝み倒して変わってもらった。だって、一生に一度しか彫らないんだもん。見ていたい。一番最初に見つめたい、って思って。

行き道では時間があったから、ラーメンを食べて。

それから彫り師さんのところへ。
墨入れはすぐに始まった。華の左肩に、黒い蜘蛛。掌大。
上腕部は、胸よりも痛くないという。
それでも、肩や、柔らかい皮膚へと針が刺さると、華が苦しそうに眉根を寄せる。
それを、ずっと見つめていた。

あたしの時とは体勢が違うから、手は繋げなかったけれど。
きっと繋がせてもらえなかったけれど。





華の左腕から肩にかけて。
張り付いたような、黒い蜘蛛。
あたしの左の胸、心臓より上。
羽根を休める、黒い蝶。





ようやく揃った。





それにしても、華に黒い蜘蛛はよく似合う。
オトコマエ度が4割り増し。
華は不服そうに「ずいぶんと割合がでけぇ…」と呟いていたけれど。

でも、本当に。
本当に華の蜘蛛は綺麗。細い線と、漆黒の体が、たまらなく色気がある。
触れたいのに、触れるのが怖いほど。

どうして、だろう。
その傷痕が、たまらなく愛しいの。






↑コメント変わります↑



いつもあたしがベッドの上でしがみつく左腕。
いつもあたしが必死で噛み付く左腕。



眩暈が、した。



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