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お休みの日は一日デート。 目が覚めた瞬間、華は玄関にいる。 それからいつものように目覚めのための儀式。 昼寝。 起きてから、遅いお昼。今日は特製ネギ焼き。 今日は、その後、自転車の二人乗りでおでかけ。 LIZLISAのスカート買ってしもた……。 それと、華に変な手袋を買ってもらった。怖い顔をした羊の手袋。アジアン雑貨のお店の店頭にあって、つい目を留めてしまったもの。 どうせ通勤にしか使わないもん。 華が笑ってくれるなら、いいや。 帰ってから、下着姿のままで、タンスの整理。 あたしの服の趣味は毎年変わるから、着れなくなったものがたくさんある。正社員をしていた頃に揃えた服なんて、堅すぎて着ない。黒いワイシャツ、地味目のチノパン。一つ一つ広げて、華が好きそうなものは横流し。 ワイシャツとか、シックなブラウスとか、迷彩柄のジャケットとか。 華は喜んで持って帰る。 あたしのお古なのに……どうやらそれが嬉しいみたい。わかんない。 この間も、マフラーを買うと言うから、あたしの持っているたくさんの中から、一つをあげた。コムサのグレー。ブラウンとお揃いでもらったものだから。 最初はブラウンを持っていったけど、華にはグレーの方が似合う。 あたしがしていたのを外して交換したら、何だかいたく感動していた。 よくわかんないけど、この子は、あたしのことが好きで好きで仕方ないのだけは理解できる。 華がよく言う。 「いちごが好き」って、いつものトーンで。 その後で、「分かってる?」って聞いてくる。 分かってるよ。そんなこと。 あなたを置いて死ねないと、このあたしが思ってる。 惜しいものなんて何一つ無くて。 大事なものを作ることもなくて。 いつ死んでも後悔のないように生きてきたあたしが。このあたしが。 生まれて初めて、責任を感じてる。 華。 あたしの大好きなあなた。 あたしが息絶える時には、あなたを殺してから逝くよ。 約束するね。 じんましんが出たー。 ムービー撮られたー。ひーん。 更に帰り際に、あたしの悪戯。 ……って、華の息が荒いンですけど。 怖い怖い怖いいいぃっっ!! 両手首掴んで、ハァハァしないでぇっ。 「来週、ソレでお願いします!」 「やだっ、華が怖い!」 「いや、ほんとお願いします。土下座するっ!」 「しなくていいーーー!」 帰り際の玄関での遣り取り。 …………あほか……
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