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職場周辺を、華とデート。 久し振りの休日。 相変わらず観光地の様相を変えない土地を、慣れた歩調で歩く。 華よりも、慣れている。 手を繋いでいるけれど、あたしが道案内をする。 人波に埋もれて。 枯れ始めた紅葉に彩られて。 観光地の片隅、誰も来ないような山の上の景観地で、キスをした。 オンナノコの日が近いから、酷く敏感なあたしの身体を、文字通り、食べ尽くすのが華のやり方で、あたしはそれに溺れないように呼吸を繰り返す。 そんな営みすら、この現実では、何の意味ももたらさないことを分かっている。 何も産まない、不毛さ加減。 それでも、あなたが喜んでくれるから、あたしはこの上もなく幸せなのだと思っていることを、どうしたら全て伝えられるだろうか。あたしは酷く苦しげに喘ぎながら、そんなことを考えている。 「許して」と藻掻きながら。 「助けて」と喘ぎながら。 あたしは、あなたのくれる全てを受け止めようと、皮膚を粟立たせて、触覚を際立たせる。 こんな風に泣いて喚くのは、あなたにだけだよ。
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