3月下旬の咲き始めから、ほぼ毎日眺めてこれた桜は、 そろそろ葉っぱが混ざり始めてるところ。 通勤途中の、川沿い、桜並木。 観光地は人が溢れているので行かないけれど、 一面の桜があったら、集まってしまうのは日本人。 儚いものを愛でる心は、誰でも変わらないものだから。 ああ、散りたい。 と、そんな感傷を裏腹に、現実は淀みなく時を進めていって。 もうすぐ誕生日がきてしまう。 去年もかなり嫌だった。今年もまた嬉しくない。 きっと、いつまでも進歩のない自分を実感してしまうからだ。 あぁ、あたし、なにしてんだろ。 なにがしたいんだろ。 そんなことを繰り返し考える。 あなたの髪を撫でながら、考え続けている。 年下の子に、あたしの価値観を誉められて、 嬉しさと、どこか否定するものがあって。 そんな時に、重ねた年を数え直して、むやみに溜息。 心だけが正しくても。 背筋だけが美しくても。 この足が動いて、この手が伸びなければ、 あたしの価値は生まれない。 知らずに口ずさむ、桜の歌。 とりあえず、一個年をとったら、もう少し優しい大人になろう。 華、こんなあたしでも、あなたは許してくれるのかな。 逃げ出しそうなのを必死で堪えている、 浅はかで臆病なあたしの価値観を、 あなたも美しいと言ってくれるのかな。
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