何かが、胸の中にある。 澱んだ水のように。 癒されない、何か。 きっと。 あの人の話を聞いたからだ。 あたしが、此処にいるために、 こんなに苦しむのは、おかしいって。 手段は幾らでもあるって。 分かってる。 知ってる。 でも見ない振りをしていた。 動かない、ことと、動けない、ことは、違う。 あたしを愛する、ことと、あたしを我慢させる、ことは、違う。 責めたくない。 でも、責めずにはいられない。 あたしはいつまで待てばいい? 本当に、あたしのそばにきてくれるの? その日を待って、息を殺していることが、 あたしにとって良いことなの? 解放されたい、と思うのは、 薄紅色の桜が咲いたせい、なのかもしれない。 咲いて、散りたい。
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