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ローゼンバーグ研究室
プラチナブルー第1章 Angela,Brad and Valentina編
April,5 2045 プロイセン国 ローゼンバーグ研究室『ブラッド君。君は東洋のジパングという国を知っているかね?』 「ええ、ローゼンバーグ教授。名前くらいは・・・でも 詳しくは知りません」 『ふむ、そうか、誰か彼に説明できる者はいるかね?』 「はい、教授」 静寂の研究室に響き渡るような澄みきった声。 部屋にいる5人が、ブラッドの右隣の席で立ち上がったアンジェラ・クルツリンガーに注目した。 『ん、アンジェラ君。それでは頼む』 「はい」 肩にかかるほどの髪を赤いリボンで束ねたアンジェラは、 ローゼンバーグに軽い会釈をしてから部屋にいる他の5人に視線を流した。 「50年前、世界2位の経済力を誇ったジバングは、このプロイセン国同様、 人口構成の高齢化によって、国力が緩やかに失速し始めたと聞いています。 現在の人口は約8,000万人。平均寿命は世界一の123.8歳、 うち60歳以上の人口が50%を超える唯一の国。 労働人口が極めて少ないために、15年前には総GDPに占める製造業・流通業・サービス業の比率を インターネット上での経済活動が上回ってしまったという経済構造。 外国への提供資本が世界3位でありながら、国の抱える債務はワースト1位。 なんでも国営のオンライン・カジノの手数料と税収が歳入の30%を占めているとか・・・」 『うむ、アンジェラ君。上出来だ』 ローゼンバーグはアンジェラに優しく微笑むと座を立ち、後方のパネルのスイッチを押した。 皆が囲むテーブルの中央に立体映像が現れた。 『現在、オンライン・カジノは、プレイヤーを供給する組織、 プレイヤーにベット(賭け金)する不特定多数の法人、個人。 そして運営する国家。 この3者の関係で成り立っているのは知っているな?』 教授がフォログラムの中にある、立体のグラフを指示棒で指しながら 皆に尋ねた。 皆が、無言のまま頷いたのを見て、ローゼンバーグは続けた。 『大多数の国では、このプレイヤーは民間組織から派遣されたり、選出されたりするのじゃが、 このジパングでは、国家が選んだ者しかプレイヤーとしての仕事が与えられないのだ』 「つまり、プレイヤーは国家公務員ってことですか?」 アンジェラが緑色の瞳をいぶかしげに輝かせながら、ローゼンバーグに尋ねた。 『うむ、その通り。じゃが、ジパング出身でワシの無二の友人、タツミの話によれば、 規模拡大のために国家は、参加資格の規制緩和を前にして流入してくる海外の組織的なプレイヤー達に 太刀打ちできないのでは?と考えているようなのじゃ』 ローゼンバーグは机上のミネラルウォーターの入ったグラスを手に取り、口をつけた。 「教授・・・難しすぎてよくわかりません」 ブラッド・エアハルトは悪びれることもなく、苦笑いでローゼンバーグに率直に意見した。 『あはは、そうじゃな。単刀直入に言おう』 ローゼンバーグは再び振り返り、パネルのスイッチをオフにし、部屋の明かりを灯した。 『君達をジパング国へ送り、プレイヤーとして参加してもらう事が私の喫緊の務めなのだ』 再び静寂に戻る研究室。 「やった。オレ、外国に行くのは初めてなんだよな〜〜」 唖然とする3人の学生を他所に、ブラッドは遠足に行く前日の子供のように飛び跳ねた。 その横で、アンジェラはローゼンバーグを見つめていた。 【第一章の登場人物】 アンジェラ・クルツリンガー Angela Kurz Ringer 20歳。 地元の4年制小学校を卒業後、9年制のギムナジウムへ進学。 卒業後、1度目で国家試験のアビトゥーアに合格。 精神科医である父親の影響を受け、家から一番近くにあるローゼンバーグ総合大学医学部へ進学。 身長162cm 体重52�圈_搬押”磧∋舒貎諭� ブラッド・エアハルト Brad Erhart 20歳。 州都にある12年一貫教育シュタイナー学校卒業後、2回目で国家試験のアビトゥーアに合格。 プロイセンでは、アビトゥーアの資格を持てば、自分の望む総合大学を選択することができる。 プロサッカー選手を夢見るも、致命的な怪我で現役を諦める。 その後、整形外科医となることを選択し、ローゼンバーグの門をたたく。 身長188cm 体重85�圈_搬押∧譟�兄弟無し。 ヴァレンティーネ・ファンデンブルグ Valentina Fandemblg 24歳。 ローゼンバーグ教授に、学部在籍中に助教授推薦を受け、 卒業論文が、学会に新風を起こし、時の人となる。 身長158cm 体重50�圈_搬押〔気� トッティ・ファンデンブルグ Totti Fandemblg 25歳。 シチリア生まれだか、両親の記憶はなく、物心ついたときからファンデンブルグ教会で育つ。 16歳の時に、北欧の飲食店経営のオーナー夫妻の養子となり、料理の腕を磨く。 22歳の時に、夫妻が亡くなると、プロイセンに北欧風飲食店を出店。その後タツミグループ入りを果たす。 身長175�僉‖僚�62�圈_搬押〔気� フリッツ・フォン・ローゼンバーグ Fritz Von Rothenberg 54歳 父の遺志を継ぎローゼンバーグ総合大学の教授職とフォンデンブルグ教会の司祭職を兼任。 大学では、ブラッドとアンジェラの医学部の師。 教会では、ヴァレンとトッティの父親がわりでもある。 タツミコーポレーション社長の辰巳大樹と親交があり、ジパングでのオンライン研究に協力している。 デニス・T・ヴォルフガング・Dennis Tatsumi Wolfgang 30歳 表向きはICPOの刑事であるが、実態はタツミコーポレーション会長辰己直樹の秘書。 辰巳圭樹は曾祖父 リカと円香の再従兄妹(はとこ)にあたる。 身長185cm. 体重77�圈‘反� その他の登場人物 チェン教授 ローゼンバーグ総合大学の物理学部教授 34歳 ジパング行きを賭けて行われる予選のヴァレン達の対戦相手に名乗りを上げる。 ヤン教授 プロイセン国オンラインカジノ研究の第一人者であり、今回の派遣委員会議長 65歳 シルバー 19歳 ローゼンバーグ教会出身の若者 トッティの弟分 マリー 18歳 ローゼンバーグ教会出身の少女 トッティの妹分 椎名円香 25歳 ジパングから招へいされた麻雀の先生。 トッティのボス。タツミコーポレーション社長辰巳大樹の長女。 |