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My life as a cat DiaryINDEX|past|will
ある日系人の男の子と知り合う機会を得た。年は大して変わらない。英語も日本語も同レベルだという彼と話すときはやはり日本語。日系人というのは複雑なもので一揆に興味がわいてあれこれと質問をぶつけてみた。彼の親族の戦争中の苦悩や海の向こうから見た日本について、あれこれ話してくれた。聞いていると本当に不思議な感覚に陥る。海外で育っていても日本人としてのアイデンティティはすごく強く残っているように思う。事実、わたしが日頃ここで文化の違いに悩むことを話してみるとあっさり理解してくれるところにうわぁ、育った場所は全く違っても彼には本当に日本の血が強く残っているんだと実感してしまった。そして何よりも彼の日本語にとても胸が熱くなってしまった。一度は忘れかけて頑張って勉強しなおしたという彼の日本語はとても良い。「良い」というのは流暢というだけでなくてもっと別に純粋に響くのだ。ここには日本人が沢山いるし、知り合う機会もある。だからわたしは日本語に飢えていると感じたことはない。それなのに彼の日本語にハッとしてしまったのはきっと流行り言葉も流行の言い回しも無い、熱のこもった日本語に聞こえたからだ。流暢だし文法的におかしいところなどひとつもない。それでもちょっとした言い回しやトーンやニュアンスが違うのだ。言葉をきちんと選んで話しているような雰囲気。わたしはこういう日本語が好きなんだ、きっと。
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