My life as a cat
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2004年07月30日(金) 余裕のない人々

早めに仕事が終わり、こころはやる金曜日。予定は何もないけれど、早く家に帰れるだけで嬉しい。それなのにあいにく電車が大幅に遅れていていた。人でごったがえしてしまった駅のホームに一人の老人も電車を待っていた。やっとのことで電車が来て、いつもより混んだ電車に乗り込んだ。ギュウギュウに満員でもなくて周囲の人がざっと見渡せる程度の混み具合だった。吊り革につかまり横を見ると老人も吊り革につかまっていた。目の前に座っている6,7人の普通の大人や高校生にこの老人が目に入らないはずはない。みんな見て見ぬふりをするのだ。わたしの背後に座っている大人達だって。。。老人は腰が痛いようで辛そうだった。それでも誰も席を譲らない。「あちらに行ったらシルバーシートがあるからもしかして座れるかもしれませんよ」と言うと、老人は「そうだけどね。。。」と言ってそちらには行かずそのまま立っていた。駅と駅の間で電車が立ち往生してしまい車内は携帯のメールをうつ人、いらつく人、疲れ顔の人、、、誰もこの老人を見ようとはしない。

電車で通勤するようになってから何度もこんなものを見て、そのたびに幻滅した。忙しい日本社会には人を思いやる心の余裕が欠けている。老人をおしのけてシルバーシートに陣取って大きな笑い声をあげる中年女性達。こんな女性達が自分の子供に「お年寄りをいたわりましょう」と教えているとは到底考えにくい。こんな社会に流されてしまわないようにお腹にギュッと力を入れた。


Michelina |MAIL