2008年12月02日(火) |
汗をかかないと信頼されない |
先日、母校の大学の後輩から電話がかかってきました。電話の内容は相談でした。何でも現在後輩が勤務している勤務先の上司である院長先生と折り合いが合わないというのです。一体どういうことか?いろいろと話を聞いてみると、どうもいつまで経っても自分を信用してくれず、何かにつけて小言を言われるというのです。大学を卒業して間もない頃であればいざしらず、既に何年も経過している自分に対して細かい指導が入ってくるとのこと。非常にうっとおしく感じるそうで、そろそろ、勤務先を変えた方がいいのか?それとも、思い切って開業をした方がいいのか考えている。先輩の意見を聞きたいという電話だったのです。
かつて僕も大学院時代、研修医時代の上司の先生と合わず苦労をしたことがあります。後輩と同じような悩みを持ち、仕事に身が入らないことが何度もありました。後輩の心情は非常に理解することができました。後輩には、上司からどういった小言を言われているのか尋ねました。
いくつかの小言の具体例を聞いた僕は、あることを後輩に尋ねました。それは、どうして後輩がいつまで経っても独り立ちさせてもらえないのか?考えたことがあるのかどうかと。自分が被害者のように思っているかもしれないけれども、果たして客観的にみてそれは正しいのか?上司との性格の不一致やパワハラなどが理由であれば、職場を変えたり、独立するという選択肢もあるが、本当に自分に非はないのか?一度頭を冷やして考えてみたらどうかと言ったのです。
人の信頼を得ようと思えば、誰よりも地道な仕事、評価に値しないような仕事でも黙々とやり続けなければならないものです。いわゆる、汗をかかないといけない時期が必要なのです。汗をかいている時期は、自分がこんなことをしていていいのか?自問自答することもあるかもしれません。けれども、僕の経験では、そして、多くの人が指摘しているとは思いますが、汗をかいている人は、その人が感じていない場所から見ている人がいるものです。気がついていないフリをしながら、しっかりと見ている人がいるもの。
“あいつはしっかりと一つ一つ仕事をしている”“目立たない場所で汗をかいている”
直ぐに結果は出ないかもしれません。けれども、時間の経過とともに汗をかき続けると、周囲から次第に信頼を勝ち取り、仕事を任されることにつながるのではないかと思うのです。
世の中には僕の後輩と同じような悩みを持っている人が多いと思います。全ての人が当てはまるわけではありませんが、いつまで経っても信頼されない裏には、何か理由がある。本当に上の人の立場にたって考えれば、汗をかいているかどうか? 僕は後輩に汗をかいているかどうか?もう一度冷静に考えることをアドバイスしました。そして、汗をかいていなければどうしたら汗をかけるのか?考えるだけでなく実行することを諭したのです。 果たして僕のアドバイスが後輩に届いたかどうかわかりません。必ずしも後輩が期待していたアドバイスではなかったかもしれません。厳しい口調でいいましたので、後輩は気分を害したかもしれませんが、どうか僕の本当の思いが彼に届き、少しでも前向きに、今の仕事の状況が改善されるよう、願って止みません。
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