はぐれ雲日記
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いまだ生を知らず いづくんぞ死を知らん。
これは、孔子に、弟子の顔回が「死ぬとはどういうことでしょうか?。」と尋ねたところ 孔子はカラカラと笑って「わたしがそんなこと知るもんか。 今こうして生きてるということがどういうことかすらわかってないのに・・・」 と応えたという、あまりにも有名なことばです。
森 敦著「月山」 のとびらの部分にこれが記されていました。 芥川賞受賞のこの本は本まるごと一冊曲にしてしまったということで当時話題になったものです。 電通のサラリーマンをしながらシンガーソングライターでもあった新井満さんが”組曲・月山”を作りました。
長く、庄内平野を転々としながらも 私はその裏ともいうべき肘折の渓谷に分け入るまで わたしはなぜ 月山が月の山と呼ばれるかを知りませんでした。
という書き出しで始まるこの小説は、森さんの葬儀でも、お経のかわりにこの組曲を流したそうです。 以上はマエフリ。
今日は森さんのお母様のことを書きたかった。 森さんは旧制高校から東大へ進んだのですが、途中で感ずるところがあったのか中退。 ラーメン屋の出前持ちになりました。 その時のお母さんの態度がステキでした。 「敦、偉い。 東大も大学だが、ラーメン屋も人生の立派な大学だ。」 と励ましたそうです。 これはとても・・・わたしなんか言えません。本当に。 流浪の小説家、森敦はこのようなおおらかなお母様のもと育まれました。
月山は鳥海山とともに山形に位置し、その姿は牛が寝そべっているように見えることから正式には 臥牛山(がぎゅうざん)と呼ばれています。 前日の”暗闇から牛”を無理やり引き出したようですね・・・。
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