カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来

電話でたくさん話をした
話題を上手に提供してくれる電話の向こうの人の
心づかいに感謝しながら
コトバのレールの上をするすると走り続ける
と だんだん ひとりでに
コトバが走り出し 加速して
ふわふわレールから浮かび上がり
自分が話しているのに
コトバが勝手に舞い上がり
手で捕らえようとしても捕まらず
きっとこのまま 口から生まれた
すぴーちばるーんの中に くくられて
どこにコトバは 飛んでいくのだろうか と
ぼんやり別のところで 考えつつ
私はまだ 会話を続けていた
natu

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