おかえりの鐘が商店街にひびく街からは 数日前の明るさも消え午後5時は 暗闇の始まり風呂屋の煙突よりも高い場所にとどまって黒のベールにつつまれた なんて薄い月顔をあげなくていいよひとつひとつ クリアするしかないその先はどうあれ今は足元だけを見ていればいいよ と誰を照らすこともなくただ 淡く爪の先のようなか細いオレンジ色はそこに居て秋の終わりへと続くこの街を見下ろしている