カゼノトオリミチ
もくじ過去未来


2006年12月30日(土) 冬の花火




山のむこうに黄金色の夕陽がかがやいて

川べりに小さな闇が生まれる

くねった流れには

小さくさざ波ふるえる



オレンジ色のまあるい柿の実か

線香花火のような固まりが

じじ と呟やき 川のほとりに落ちてゆく

冬の冷たい花火がしずめば

いちにちは終わり



今頃は

ホームで電車を待っている

紺色のコートの背中を風が追い立て

ドアの向こうの安堵だけ

思い描いてる



足元の川底には 

いまだ熱い名残が横たわり

明日の日の出の頃には

凍りつき ようやく眠りを得るのだろう








natu