カゼノトオリミチ
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春のはしり ぼんやりした もやの街では
チクタク 流れる時も 停滞気味
耳をすりぬける
よそゆきの バイオリンの調べのようなら いいのに
ばかなことばかり言うなと 軽く笑ってもらえたら
手のひらに うんと積もったコトバ
風に吹かれた砂のように するすると
どこか 消えてゆくのかな
忙しいふりで 早足で歩こう
目の端からちぎれる湿り気を
街のそこここに撒き散らしても 知らん顔
望まなくても生まれる思い が 時の流れを
ゆっくりにして 足が前へと進まないなら
そんなもの
誰にも 気づかれないように
そおっと
カゼノトオリミチに 捨てて歩く
natu

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