カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来

ハッピーエンドの映画を見て 悲しくなったり
悲しい映画なのかと思ったら
映画館を出て 微笑んでいたり
またそれを巷に合わせて 涙ぐんで見せたり
そのたびに
心の奥に畳まれてゆく ホントのこと
古い書斎のカビたニオイ
長いこと手に取られるのを待っていたと
色あせたビロードの本は 自らを身震いさせて
薄茶色のページをめくるけれど
文字は もう読むことも出来なくて
ええ、素晴らしい本ですね、とつぶやき棚に戻すとき
また
心のひだに堆積してゆく ホントの言葉
シアワセノキジュン って
誰が作るんだろう
みんな自分に一生懸命になるしかない
萌え出る緑の季節に
そんなこと 思う
natu

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