夕闇の葉桜の下に咲いた白いてっせん ふたつ みっつ薄墨色の集まった暗がりをそこだけ照らす足早に 家路を急ぐサラリーマンあまりの白さは なまめかしくもありそれが余計に 寂しげでもあり誰もが自分に必死だからいつまでも見とれて立ち止まっている訳もなくちいさなつむじ風が起こり白が揺れる5月半ばの薄ら寒さ 二の腕を撫でてゆく薄ぺらでしとりとした花びらを広げ 後ろ姿見送り ひらひら 揺れているいつまでも