カゼノトオリミチ
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2007年05月07日(月) 白いてっせん




夕闇の葉桜の下に咲いた

白いてっせん ふたつ みっつ

薄墨色の集まった暗がりを

そこだけ照らす



足早に 家路を急ぐサラリーマン

あまりの白さは なまめかしくもあり

それが余計に 寂しげでもあり

誰もが自分に必死だから

いつまでも

見とれて立ち止まっている訳もなく



ちいさなつむじ風が起こり

白が揺れる

5月半ばの薄ら寒さ 二の腕を撫でてゆく



薄ぺらでしとりとした花びらを広げ
 
後ろ姿見送り ひらひら 

揺れているいつまでも





natu